Ren'Py は以下のフォーマットのファイルを使用したバックグラウンドでの音楽、効果音再生をサポートしています。 :
WAV (非圧縮16bit PCM のみ)
Opus と Ogg vorbis は Safari のような WebKit ベースのウェブブラウザではおそらく動作しませんが、他のプラットフォームでは最適なフォーマットです。
Ren'Py は任意の数のオーディオチャンネルをサポートしています。デフォルトでは 3 つのノーマルチャンネルが定義されています。 :
music
- 音楽再生用チャンネル。
sound
- サウンドエフェクト用チャンネル。
voice
- ボイス再生用チャンネル。
ノーマルチャンネルはオーディオの再生、キューに対応しますが、同時にひとつのオーディオファイルのみ再生します。新しいノーマルチャンネルは renpy.music.register_channel()
で登録されます。
ゲーム内で設定画面の Music Volume, Sound Volume, Voice Volume を設定してそれぞれのチャンネルの個々のボリュームを設定できます。
ノーマルチャンネルに加えて、特別なチャンネル audio
があります。この audio チャンネルは同時に複数のオーディオの再生をサポートしますが、サウンドのキューや再生の停止はサポートしません。
サウンドはボタンや選択肢、イメージマップがフォーカスを持つか押されると再生するようにも設定出来ます。 ボタンスタイルのプロパティー を参照してください。 2 つの設定変数 config.main_menu_music
と config.game_menu_music
はそれぞれ指定されたオーディオファイルをメインメニューとゲームメインメニューで再生するように出来ます。
ゲーム中に、 Ren'Py で曲と効果音を再生する通常の方法は 3 つの music/sound ステートメントを使用することです。
play
ステートメントを使用して曲や効果音を再生します。ファイルが通常のノーマルチャンネルで再生中なら、停止して新しいファイルで置き換えます。
チャンネル名がキーワード play
に続くことが期待されます ( 通常これは「sound 」、「 music 」「 voice 」「audio」のいずれかです) 。この後にはオーディオファイルかファイルのリストが続きます。リストが指定されるとその要素が順番に再生されます。
fadein
と fadeout
節は任意です。 fadeout は現在再生中の曲をフェードアウトする時間を秒数で指定し、 fadein は新しい曲をフェードインするのにかかる時間を指定します。 fadeout が指定されていないと、 config.fade_music
が使用されます。
loop
, noloop
節も任意です。 loop 節は曲をループし、 noloop 節は一度だけ再生します。両方とも指定されない場合はチャンネルのデフォルトが使用されます。
play music "mozart.ogg"
play sound "woof.mp3"
play myChannel "punch.wav" # 'myChannel' needs to be defined with renpy.music.register_channel().
"We can also play a list of sounds, or music."
play music [ "a.ogg", "b.ogg" ] fadeout 1.0 fadein 1.0
オプションの volume
節でそのトラックの相対音量を 0.0から1.0で指定できます。これによりトラックが再生されるボリュームを再生時ごとに調整できます。
play sound "woof.mp3" volume 0.5
この auido チャンネルでは複数の play ステートメントで同時に複数のサウンドを再生します。
play audio "sfx1.opus"
play audio "sfx2.opus"
文字列の代わりに変数も指定でき、 audio 名前空間 に変数があればデフォルトの名前空間に優先して使用されます。
play music illurock
audio 名前空間に配置されたファイルは次のように使用可能な変数を自動的に定義します。
stop ステートメントはキーワード stop
で始まり、ストップする チャンネルが続きます。任意で fadeout
節も持ちます。
stop sound
stop music fadeout 1.0
queue ステートメントを使用してオーディオファイルをキューします。それらはチャンネルが現在再生中のファイルを終了してから再生されます。
queue ステートメントはキーワード queue
で始まり、再生するチャンネルの名前が続きます。任意で fadein
, loop
, noloop
節を取ります。
queue sound "woof.mp3"
queue music [ "a.ogg", "b.ogg" ]
キューは volume
節も取ります。
play sound "woof.mp3" volume 0.25
queue sound "woof.mp3" volume 0.5
queue sound "woof.mp3" volume 0.75
queue sound "woof.mp3" volume 1.0
複数の queue ステートメントがインタラクションなしで指定されると、すべての音声ファイルはそのキューに追加されます。play や stop ステートメントで既󠄂にクリアされていなければインタラクション後の最初の queue ステートメントはキューをクリアします。
文字列の代わりに変数も指定でき、 audio 名前空間 に変数があればデフォルトの名前空間に優先して使用されます。
define audio.woof = "woof.mp23
# ...
play sound woof
これらのステートメントを使用する利点は lint を実行時にオーディオファイルの消失をチェック出来ることです。以下の関数は曲と効果音を python から制御出来るようにし、( 滅多に使用されませんが )高度な機能を利用するために存在します。
Ren'Py はオーディオファイルの部分的な再生をサポートします。このためにはファイルの始めの山括弧のなかで位置を指定します。部分再生指定は適切な名前と値のペアからなり、それぞれスペースで区切られます。
値はファイルの開始からの秒数と解釈され、3つのプロパティーがあります。 :
from
最初に再生を開始するときの位置を指定します (デフォルトでは 0.0 秒)。
to
最初に再生を停止する位置を指定します (デフォルトでは 0.0 秒)。
loop
二回目からの再生開始位置を指定します (デフォルトでは from
で指定された開始位置またはそのファイルの開始位置です )。
例
play music "<from 5 to 15.5>waves.opus"
5 秒から開始し、 waves.opus の10.5 秒までを再生します。
play music "<loop 6.333>song.opus"
song.opus 全体を一回再生した後、 6.333 秒からループします。
そのファイルの再生開始位置を、 "<sync channelname>track.opus" のようなファイル名を使用して現在再生中のトラックがある他のチャンネルに同期することもできます。ここでの channelname はそのチャンネルの名前で、 music, sound, その他登録されたチャンネルのいずれかになります。
これによって多層レイヤーのループトラックを一緒に同期できます。 例
play music_2 [ "<sync music_1>layer_2.opus", "layer_2.opus" ]
これは後続のイテレーションでそのトラック全体を再生する前に、最初のイテレーションで music_1 チャンネルの現在のトラックと同期した開始時間で layer_2.opus を再生します(デフォルトでは layer_2.opus の開始時間はそのループの後続のイテレーションでも変更が維持されます)。
3.0 秒の無音が欲しい場合、 "<silence 3.0>" のような名前のファイル名を使用して、指定された時間無音を再生できます。これにより再生位置を遅延できます。 例
play audio [ "<silence .5>", "boom.opus" ]
0.5 秒の無音の後、爆発音を再生します。
play
と queue
ステートメントは audio 名前空間でその引数を評価します。これにより define ステートメントでオーディオファイルにエイリアスを定義出来ます。
例えばこのように書いて
define audio.sunflower = "music/sun-flower-slow-jam.ogg"
このように使用します。
play music sunflower
Ren'Py は game/audio
ディレクトリーにあれば、音声ファイルを自動的に audio 名前空間に配置します。このディレクトリーのサポートされた拡張子のファイル(現在のところ .wav, .mp2, .mp3, .ogg, .opus) は拡張子を除去し、残りのファイル名を小文字にして audio 名前空間に配置します。
ファイルが audio 名前空間に配置されるだけで、使用可能であるとは意味しません。 以下の記述で "opening_song.ogg" を再生可能な一方、
play music opening_song
Python 変数として表現できない名前のため、このような方法でアクセスできないファイルもあります。例えば、 "my song.mp3", "8track.opus", "this-is-a-song.ogg" は動作しません。
AudioData
(data, filename) linkこのクラスはオーディオデータを含むバイトオブジェクトをラップしてオーディオ再生システムで使用できるようにします。オーディオデータは Ren'Py がサポートするフォーマットであるべきです(例 修飾のないファイルではなく、 RIFF WAV 形式のヘッダー)。
オーディオファイルを含む bytes オブジェクトです。
このデータと関連付けられて合成されるファイル名です。これを使用して、 data を含むフォーマットを示したり、エラーメッセージのレポートで使用したりできます。
いったん作成されると、これはオーディオファイル名が求められるどこででも使用可能です。
define audio.easteregg = AudioData(b'...', 'sample.wav')
play sound easteregg
renpy.
mark_audio_seen
(filename) link指定したファイル名をすでに現在のユーザーに再生されているとマークします。
renpy.
mark_audio_unseen
(filename) link指定したファイル名が1 度も現在のユーザーに再生されていないとマークします。
renpy.
play
(filename, channel=None, **kwargs) link効果音を再生します。 channel が None なら、デフォルトで config.play_channel
になります。これは hover_sound
と activate_sound
スタイルで定義されたサウンドを再生します。
renpy.
seen_audio
(filename) link指定したファイル名が 1 度でも現在のユーザーに再生されていれば True を返します。
renpy.music.
get_duration
(channel=u'music') linkchannel のオーディオやビデオの長さを返します。 ファイルが再生されていなければ 0.0 を返します。
renpy.music.
get_loop
(channel=u'music') linkchannel でループされているファイル名リスト、またはループされているファイルがなければ None を返します。ループはキューされているがまだ再生されていない場合、その現在再生中の音声ではなくそのループが返されます。
renpy.music.
get_pause
(channel=u'music') linkchannel のポーズフラグを返します。
renpy.music.
get_playing
(channel=u'music') link指定されたチャンネルが再生中の場合、再生中のファイルの名前を返します。それ以外の場合は None を返します。
renpy.music.
get_pos
(channel=u'music') linkchannel のオーディオやビデオの現在位置を秒数で返します。ファイルが再生されていなければ None を返します。
チャンネルが再生前であったり、ミュートにされると None を返すため、この関数を呼び出すコードは常に None を処理するべきです。
renpy.music.
is_playing
(channel=u'music') link指定されたチャンネルが再生中なら True を返します。再生中でないかサウンドシステムが動作していないなら False を返します。
renpy.music.
play
(filenames, channel=u'music', loop=None, fadeout=None, synchro_start=False, fadein=0, tight=None, if_changed=False, relative_volume=1.0) linkこれは指定されたチャンネルで現在再生中の曲を停止し、キューされた曲をクリアし、指定されたファイルかファイルリストを再生開始します。
これは再生されるファイルかファイルのリストです。
サウンドを再生するチャンネル
これが True ならトラックはそれがキューの最後にある間ループを続けます。
None を指定するか、フェードアウトにかかる秒数を指定します。そうでなければフェードアウトの時間は config.fade_music
から取られます。
Ren'Py では、synchro_start が True に設定されたチャンネルの間で、再生の開始を同時に行うことを保証できます。互いに同期させることを意図した2つのオーディオファイルを再生する場合、synchro_start を True に設定すべきです。
これは曲をフェードインするのにかかる秒数で、最初のループでのみ有効です。
True ならフェードアウトは次にキューされるサウンドにも適用されます。None なら loop が True のとき True になり、そうでなければ false です。
これが True で指定したオーディオファイルが現在再生中なら、停止やフェードアウトも再び最初から再生もせずに再生を継続します ( これは常にそのオーディオファイルをキューに追加します )。
これは現在のチャンネルボリュームに対する相対ボリュームです。指定のファイルがその相対ボリュームで再生されます。指定されなければデフォルトは 1.0で、ミキサーとチャンネル、セカンドボリュームで決まる元の音量で再生します。
channel のポーズフラグをクリアします。
renpy.music.
queue
(filenames, channel=u'music', loop=None, clear_queue=True, fadein=0, tight=None, relative_volume=1.0) link指定されたファイルを特定のチャンネルにキューします。
これは再生されるファイルかファイルのリストです。
サウンドを再生するチャンネル
これが True ならトラックはそれがキューの最後にある間ループを続けます。
True なら現在の再生が終了するとキューがクリアされると共にこれらのファイルが再生されます。 False ならこれらのファイルはキューの末尾に配置されます。どちらの場合でも音楽が再生されていなければこれらのファイルは即座に再生開始します。
これは曲をフェードインするのにかかる秒数で、最初のループでのみ有効です。
True ならフェードアウトは次にキューされるサウンドにも適用されます。None なら loop が True のとき True になり、そうでなければ false です。
これは現在のチャンネルボリュームに対する相対ボリュームです。指定のファイルがその相対ボリュームで再生されます。指定されなければデフォルトは 1.0で、ミキサーとチャンネル、セカンドボリュームで決まる元の音量で再生します。
channel のポーズフラグをクリアします。
renpy.music.
register_channel
(name, mixer=None, loop=None, stop_on_mute=True, tight=False, file_prefix=u'', file_suffix=u'', buffer_queue=True, movie=False, framedrop=True) linkname と名付けられた新しいオーディオチャンネルを登録します。オーディオはチャンネルの名前を play または queue ステートメントに与えると、そのチャンネルで再生されます。
チャンネルが使用するミキサーの名前。デフォルトで Ren'Py には「 music 」,「 sfx 」,「 voice 」ミキサーが設定されています。他の名前の使用は可能ですが、設定画面の変更も必要かもしれません。
True の場合、このチャンネルのサウンドはデフォルトでループします。
True の場合、このチャンネルの曲はチャンネルがミュートになったら停止します。
True の場合、サウンドはフェードアウト中でもループします。これは、サウンドエフェクトやシームレスなミュージックチャンネルに対して True に、曲がそれ自身でフェードアウトする場合は False に設定すべきです。
このチャンネルで再生される曲のファイル名につけられる接頭辞。
このチャンネルで再生される曲のファイル名につけられる接尾辞。
キューに入れたファイルの最初の数秒をメモリに展開しますか?これはオーディオに対しては True 、ムービーに対しては False にすべきです。
True ならこのチャンネルはビデオ再生用に設定されます。
これはラグ発生時にビデオをどうするかを制御します。 True なら、いくらかのフレームを落として実時間と音声トラックに追随します。False なら、Ren'Py はフレームを飛ばさず、遅れて表示します。
renpy.music.
set_pan
(pan, delay, channel=u'music') linkこのチャンネルのパンを設定します。
音源の位置を制御する -1 から 1 までの間の数字です。これが -1 だと全ての音は左側のチャンネルに送られ、 0 だと 2 つのチャンネルは等しくなります。 1 なら全ての音は右側に送られます。
パンの実行に掛ける時間です。
パンを実行するチャンネルです。これは sound または music チャンネルです。大抵これはチャンネル 7 で、デフォルトの music チャンネルです。
renpy.music.
set_pause
(value, channel=u'music') linkchannel のポーズフラグを value に設定します。 True なら、チャンネルはポーズし、そうでなければ通常どおり再生します。
renpy.music.
set_queue_empty_callback
(callback, channel=u'music') linkこれはキューが空になったときに呼び出されるコールバックを設定します。このコールバックはキューが最初に空になったときとキューが空になっている間のインタラクション毎に少なくとも 1 回呼び出されます。
コールバックは引数なしで呼び出されます。これは適切な引数で renpy.music.queue()
を呼び出して曲をキューに追加出来ます。コールバックはキューが空である限り曲が再生されている間も呼び出されることに注意してください。
renpy.music.
set_volume
(volume, delay=0, channel=u'music') linkこのチャンネルの音量を、チャンネルを制御するミキサーの音量の割合で設定します。
これは 0.0 と 1.0 の間の数字で、そのチャンネルのミキサーボリュームの割合として解釈されます。
以前の値から新しい値に音量を変更するのに delay
秒掛かります。この値はセーブに保存され、ロールバックにも参加します。
設定されるチャンネルです。
renpy.music.
stop
(channel=u'music', fadeout=None) linkこれは現在再生中の曲を停止して、キューに追加された全ての曲をキューから消します。 fadeout
が None なら曲は config.fade_music
で指定された時間でフェードアウトします。そうでなければ fadeout
秒でフェードアウトします。
これは最後にキューされたファイルを None に設定します。
再生を停止するチャンネル
None を指定するか、フェードアウトにかかる秒数を指定します。そうでなければフェードアウトの時間は config.fade_music
から取られます。
ほとんどの renpy.music
関数は renpy.sound
にエイリアスを持ちます。これらの関数はデフォルトが music チャンネルではなく sound チャンネルに設定されており、ループしないことを除いて同じものです。